2009年3月28日土曜日

包む。



むかしむかし。
Ilyaが花も恥じらう女子高校生だった頃(笑)。

半年間だけ、おもちゃ屋さんでバイトしていたことがあります。

そこは、おばあちゃんと娘さん夫婦で経営している、
小さいけれども、繁盛しているおもちゃ屋さんでした。

折しもクリスマスシーズン。
プレゼントを買い求めてくるお客さまがたくさん。

だけど、不器用なIiyaは、プレゼントを包むこともできなくて。

おばあちゃんはちょっと呆れて笑いながら、
Ilyaに、基本中の基本の「キャラメル包み」を教えてくれました。

おばあちゃんは、いつもおっとりとしているけれど、
プレゼントを包む速さと、出来上がりの美しさは、ピカイチ。

丸いボールだって、くるくると回しながら、
順々にひだをよせて、それはそれは見事に包んでいくんです。
初めてそれをみたIlyaは、おばあちゃんの手つきに見とれてしまいました。

なかなか「プレゼント包みのデビュー」ができないIlyaは、
たくさん積まれたおもちゃのホコリを払って、フロアのお掃除が終わったら
練習用の包装紙で「包む」練習ばかりしていました。

そして時々、おばあちゃんが「そろそろお休みしなよ」といいながら、
入れてくれるお茶を飲みながら、よもやま話をしたりして。

今、思い返すとそれでお給料をもらっていたのだから、
すごいことなのかもしれません(笑)

Ilyaは、そんな全然お役に立てないバイトさんだったから、
進学が決まって、辞めることを伝えた時に
おばあちゃんがIlyaの手をとって、本気で惜しんでくれたことに、
本当にびっくりして、とても嬉しかったのを覚えています。

そのお店は、もう、ずいぶん前になくなってしまったのですが。

不器用Ilyaは、今も相変わらず「キャラメル包み」しかできません(笑)。
でも、一生懸命、一生懸命、心をこめて包んでいます。

だから、ちょっとゆがんでいても、こっそり笑って許してやってくださいね。

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