2010年8月21日土曜日
パラケルススに想いを馳せて。
木曜日はエコ工房ひだまりさんで、
金曜日はいりあで、アロマテラピー講座がありました。
今回のお題は「パラケルススの医学と体質改善のトリートメントオイル作り」。
中世の錬金術師であり、医学者でもあったパラケルスス。
占星術や宗教色の濃い医術が常識的だった時代の流れの中で、
「天体や神の愛が人間の身体を創り、司るなんてとんでもない!」と
真っ向から医学界に噛み付いて、
「聖典」とされていた古典医学書を人前で焼き捨てたり
薬草や鉱物から有効成分を抽出して薬を作るという独自の治療法で
他の医者から見捨てられた下半身マヒの少女を
助けたというエピソードがある人物です。
しかし「神をも恐れぬふるまい」に他の医師からは白い目でみられ、
パラケルススが作った薬の、その驚くべき効能を妬んでか、
「悪魔に魂を売り渡して秘薬を手に入れた」などとののしられ、
最期はとても不幸な結末となるのですが・・・・。
アロマテラピーの検定教科書に載っている、歴史上の人物では、
ヒポクラテス、ガレノス、イブン・シーナやニコラス・カルペッパーなどの
名前はよく上がっていますが、
パラケルススは、それほど重要視されていません。
でも、先々月の講座で取り上げた、
中世の修道院医学に貢献した、ビンゲンのヒルデガルドのように、
「世の中の常識」を覆そうと必死に戦った人々は、
たとえ、その時は正しく評価されなくて、
「歴史上の勝ち組人物」のリストからこぼれてしまったとしても、
Ilyaは、決して忘れてはいけないと思います。
でも実は、Ilyaは歴史が大の苦手です(笑)。
アロマの試験でも、歴史関係はかなり四苦八苦した覚えが。
恩師にも「歴史関係は覚えれば確実に点が稼げるところなんだから~」と、
散々いわれたのにもかかわらず、どこ吹く風~♪だった、
しょうもない生徒でした(爆)。
ひとりひとりの人物についてはこうやって興味を持つと、
いらんことまで調べたりして(笑)覚えられるのですが、
時間軸は全然ダメだったんですねぇ。(^^;)
例えば、大槻真一郎先生が翻訳した、
パラケルススの「奇蹟の医の書」などの「パラ3部作」などは、
「医学者の心得」や「5つの病因」や「体質論」について書かれた書物ですが
その当時迫害されつつも、最期まで我を曲げずに書き続けた
パラケルススの想いが伝わってきて、ものすごく面白いですよ。
昔からの古典的医術に頭が凝り固まっていた医師たちを、
時には笑い、罵り、憐れみながらも、
もしかしたら、このままではいけないと焦りながらも、
ものすごく愛情深くて、本当はとても寂しかった人ではないかなぁ。
そんなふうに、中世の人に想いを馳せている、夏の夜なのでした。
写真は、サルスベリの花。
ピンク色のサルスベリの花を見るたびに、
「ああ、夏だなぁ」と感じます。
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